日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.314(臨時号)

1.PXE第7期生を募集中!
2.改めて……PX向上とは?
3.今後の予定

※メールマガジンの配信を一時休止しております。再開までお時間をいただけますと幸いです。

1.PXE第7期生を募集中!


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会は、今年もPXE養成講座を開講します。PXE(Patient eXperience Expert)は患者視点のサービス提供を行うためのスペシャリストとして活躍できる人材です。7月からスタートする講座では、現在受講生を募集しています。

PXEは2019年からスタートし、今回で7期目を迎えました。患者視点の医療サービスの提供を実現する旗振り役、講演会などでPXを広める演者として医療現場で活躍いただける人材を育てることを目的に講座を開講しています。全5回の講座はPX(Patient eXperience;患者経験価値)を体系的に学べる内容となっています。PXとPS(Patient Satisfaction;患者満足度)の相違点や関係性、PX向上に必要なコーチングによるコミュニケーションなどの知識を得ることができます。

PX研究会の認定資格制度であるPXEの取得は、▽PXを体系的に学べて現場に活かせる、▽患者満足度向上に必要なアクションが明確になる、▽患者視点の医療実現に関心のある仲間とのネットワークづくり――などのメリットがあります。

第1回(PX・CX概論)は7月26日(土)の開催となります。講座はオンライン開催ですが、ペイシェント・ジャーニーマップを作成する第4回はオフライン(東京会場)での開催を予定しています。

概要および申し込みは下記リンクからお願いします。

Link:https://www.pxj.or.jp/pxe%e9%a4%8a%e6%88%90%e8%ac%9b%e5%ba%a7%ef%bc%887%e6%9c%9f%e7%94%9f%ef%bc%89/

2. 改めて……PXとは?


当メールマガジンを読んでくださっている方はPXについて、すでに多くのことを知っているかと存じます。しかし改めて、PXとはどんな概念で、どうやって測定するか、医療機関の運営や業務改善につなげるかなど、一度立ち返ってみることも大事です。PXの概要についてのまとめですが、エクスペリエンス・マネジメント・プラットフォームを提供するQualtrics社のホームページからの抜粋になります。

★PXの定義

PXの定義について、米国のPX推進団体であるThe Beryl Instituteは次のように述べています。

The sum of all interactions, shaped by an organization’s culture, that influence a patient’s perspective along the continuum of care.(ケアの連続性において患者の視点に影響を与える、組織文化によって形づくられる相互作用の集まり)

定義に伴う4つの重要な要素として、①各プロセス、接点、相互作用を最適化してPX全体を高める、②医師や事務職など、組織のすべてのレベルにおいてPXにつながるビジョンと価値観を文化として共有する、③個々の患者が医療を認識、理解、記憶するプロセスに一概に当てはまるものはない、④患者の医療機関での体験は、助けを求める前から始まり、サービスを受けた後も継続し、生涯にわたる健康維持のジャーニーの一部として続く。あらゆる段階の患者ニーズに対応する――を挙げています。

★PXとPSの違い

PSについては、「単一の相互作用を測定する指標であり、過去の概念」と指摘。「誰も医療サービスに『満足』する必要はありません。患者は安全で便利で専門的なケアを受け、ポジティブな臨床結果につながることを望んでいます。これが医療組織が目指すべき基準であり、その達成度を測定すべき」という理由から、患者中心のケアアプローチであるPXを採用すべきとしています。

★ペイシェント・ジャーニー

医療機関は患者から提供した医療についてのフィードバックを受けていますが、診療報酬や資金調達に依るところが大きいです。測定が目的ではなく、以下の点が重要だとしています。

  • 患者さんの全旅程を通じて適切なチャネルで声を聴いているか?
  • 組織内のすべてのチームや部門は、自分たちの行動がPXに与える影響を理解しているか?
  • 組織内の人々は認識に影響を与え、ポジティブなPXに貢献する行動を取る権限を与えられているか?

★患者フィードバックの収集

すべての患者フィードバック(収集方法や種類に関わらず)は、PXの全体像を構成する5つの側面を明らかにします:

  • 体験:相互作用中に実際に起こる事象。
  • 期待:体験中に起こることを人が予測する内容。これは過去の相互作用によって大きく影響を受ける可能性がある。
  • 認識:期待に基づいて体験をどう捉えるか。これは3つの次元で評価される:成功(目標を達成できるか)、努力(簡単か難しいか)、感情(どう感じるか)。
  • 態度:組織や提供者に対する感情。
  • 行動:組織や提供者とどう関わるか。これはその人の態度に大きく影響される。

効果的なリスニング法として患者体験プログラム、患者体験アンケートの2つがあるとしています。

★PXを向上させるには

組織の価値観とビジョンを共有したうえで、組織内のあらゆるレベルで個人が行動を起こすためのシステムを整えます。全員がPXを向上させるためのツールと知識を持ち、その重要性を理解している状態です。また、PXとEX(Employee eXperience;従業員経験価値)は密接に関連しているため、EXについてもPXと同じアプローチを適用します。従業員のキャリアのあらゆる段階でフィードバックを収集し、体験の主要な要因を理解し、改善するための行動を起こすことです。

全文は下記リンクからご一読ください。

Link:https://www.qualtrics.com/experience-management/industry/patient-experience/

3. 今後の予定


7月26日(土)12:30-13:30にオンライン勉強会「PX寺子屋」を開催します。PXの基本を講師の視点から学べる「PX概論」は山梨大学医学部附属病院の荒神裕之さんが担当します。そのほかのトピックについては決まり次第、下記ホームページに掲載します。研究会会員は無料、一般の方は1000円です。2025年最初の勉強会にぜひご参加ください!https://www.pxj.or.jp/events/

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※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。