日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.147

1.第4回PXフォーラムは12月開催!
2.バーチャル相談でのPX
3. 今後の予定

1.第4回PXフォーラムは12月開催!


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では2018年から、より多くの人にPX(Patient eXperience;患者経験価値)を知っていただく機会として、PXフォーラムを開催しています。そして今年も12月4日(土)に開催することとなりました。

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、昨年に続いてオンラインのみとなります。

 

第1回と第2回のフォーラムでは、PX研究会が発足当初から取り組んできたPXサーベイの開発と実施事例を中心に、PXについて紹介しました。昨年の第3回は、PXと関連が深いとされるEX(Employee eXperience;従業員経験価値)をトピックとして取り上げました。米国からCaring Accentの近本洋介さんがライブで参加し、米国におけるPXの機動力の変遷と最近のトレンド、特にEXが重視されるようになった背景について話してくださいました。

第4回となる今年は、「変革から成熟へーWithコロナ時代のPXがもたらすものー」をテーマとしています。PXは世界において、もちろん日本でもCOVID-19の影響抜きには語れなくなっています。患者と医療者との直接的なコミュニケーションが難しくなっているなかで、PXもニューノーマルへの対応が迫られています。

 

PX研究会では、PXによって日本の医療に変化をもたらすのではなく、どのような時にでも必要とされるPXのあり方を考え、深めていく段階に来ているとの思いから、今回のフォーラムのテーマ設定をしました。

フォーラムは2部構成となります。

第1部では「Withコロナ時代のPX」について医師3人が語るシンポジウムを企画しています。急性期から在宅までと、医療のさまざまな段階でCOVID-19はどのような影響をもたらしているのか、そしてPXはどうあるべきなのかといった話を展開する予定です。メインイベントとして、参加者全員がブレイクアウトセッションに分かれて、自組織でPXを導入する方策を議論することを考えています。フォーラムでディスカッションは珍しいと思いますが、対話からアイデアを出し合い、新しいものを生み出すことに取り組んできたPX研究会らしい企画です。

第2部のディスカッションは、医療現場や職場でPXを広めるための人材育成としてPX研究会が認定するPXE(Patient eXperience Expert)の第2期生に、PXEで学んだことをどのように活用しているのかを語っていただきます。そして、日本の“PX先進病院”である国立病院機構九州医療センターのPXサーベイの導入や分析結果をもとにした改善例を紹介します。

 

PX研究会会員(法人・個人)は無料。第1・2部で3000円となります。第1部、第2部のみ(各1500円)参加も可能です。申し込みは下記リンクからできます。多くの方のエントリーをお待ちしています!

Link:https://www.pxj.or.jp/pxforum2021/

 

 

2. バーチャル相談でのPX


医療ではCOVID-19によりオンライン診療をはじめ、バーチャルの活用が注目されています。PXにはコミュニケーションが欠かせませんが、直接面会ができない状況下でPXをどう担保すればいいのでしょうか。英国ロンドンにあるGuy’s & St ThomasNHS財団ではこのほど、バーチャルでの医療相談のPXについて調査しました。

 

同財団ではバーチャルのPXを評価するため、口腔内科における電話とビデオを使った調査を行いました。以前に検証された質問に、新たに心理測定的な質問を組み合わせることで、質問票を作成。30の質問項目に、匿名性を担保したうえで対面ではない形で患者に協力をお願いしました。

115件の調査結果では、82%以上がPXを「良い」「非常に良い」と評価。69%は次の相談もバーチャルでの実施を希望しました。調査でのコメントを分析した結果、利便性、肯定的あるいは有用性を評価していて、身体検査を伴わない場合にはアクセスしやすいものの、臨床ではやはり制限が生じるとの結果でした。

バーチャルでの相談はソーシャルディスタンスの要件を満たし、病院内の人の流れを最小限に抑えることができます。歯科ではPS(Patient Satisfaction;患者満足度)に着目しており、PSレベルは高いとしています。回答の分析を受けて、多くのサービス変更が行われる予定です。例えば仮想クリニックへのレビュー、バーチャルに備えたコミュニケーションスキルトレーニング、予約が通知されるメカニカルレビューなどです。

バーチャルでも、むしろバーチャルこそ高いPXが求められる傾向にあります。レポートでは、「いち早く、そのことに気づくことで対応できるようになる」としています。

 

Link:https://cdn.technologynetworks.com/ep/pdfs/149patient-experience-of-virtual-consultations-during-the-covid-19-pandemicaaom2021.pdf

 

 

 

3. 今後の予定


2021年も引き続き、PXを学べるオンライン勉強会「PX寺子屋」を開催します。今後5月15日、8月21日、11月13日の開催を予定。次回はPXE(Patient eXperience Expert)1期生が、自院での取り組みを紹介します!

 

第4回PX寺子屋

・日時:2021年5月15日(土)13:00-14:00

・テーマ:「PX概論」

「放射線治療科におけるPXサーベイの試み」 社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院 放射線科 小林聖子

「PXアンケートの活用 ~PFMの発展を目指して~(仮)」函館五稜郭病院 企画情報システム課企画係 久米田聖人

 

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※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

 

編集部から


たまにお店で出される紙ストローが苦手なので、マイストローを購入しました。魚肉ソーセージを思い出させるカラーが気に入っています。(F)