日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol.222

1.PX研究会主催イベント
2.医療機関でのEXの要素とは?
3. 今後の予定

1.PX研究会主催イベント


日本ペイシェント・エクスペリエンスでは11~12月にかけて、PX(Patient eXperience;患者経験価値)について学んだり考えたりできるイベントを企画しています。多くの人に参加いただきたく、改めてその内容を紹介いたします。

 

★第10回PX寺子屋(11月26日12:30~13:30)

PX研究会では創立以来、勉強会を開催し続けています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降は、オンラインでの開催となっております。毎回、研究会の運営メンバーがそれぞれの知見を活かしてPXをわかりやすく紹介する「PX概論」と、PXに関するトピックを立てています。

今回のPX概論は、やまと診療所の医師である松本卓さんが担当します。トピックは、「PX・EXを高めるスマートホスピタル実現に向けた取り組みのご紹介」。大成建設デジタルファシリティソリューション室の小倉環さんが現在、医療機関の大きな課題となっている働き方改革にPXを関連づけてお話しいただきます。

参加費1000円(会員は無料)でどなたでも参加できます。下記リンクから申し込みください。

Link:https://www.pxj.or.jp/events/

 

★第5回PXフォーラム(12月10日14:00〜17:00)

PXの認知度向上のための年1回の一大イベントとして、2018年から開催。COVID-19の影響を考慮し、今年もオンライン開催とします。

今回で5回目となりますが、テーマを「各国の取り組みから学ぶ ~グローバルにおけるPX~」としました。医療機関でのPX導入が進んでいる海外事情、事例を知ることで、日本でのPX導入・改善につながると考え、企画しました。

フランス「French Patient Experience Institute」のCEOであるAmah Koueviさんによる特別講演「Patient experience: universal vision, specific actions(PX:普遍的なビジョンと具体的なアクション )」を行います。講演では、ポストコロナ時代の深刻な課題に立ち向かうためのビジョンや具体的な施策について、フランスでPXに取り組むAmahさんの視点から話していただきます。

 

日本での先進事例についても発表します。NHA(日本ホスピタルアライアンス)が実施するPX調査に参加している堺市立総合医療センター看護局次長の小澤元子さんが、調査結果を受けた改善結果について紹介します。PX研究会が認定するPXのエキスパート、PXE(Patient eXperience Expert)の第3期生が各医療機関での取り組みをお話しします。

参加費3000円(会員は無料)です。詳細および申し込みは下記からお願いします。

Link:https://www.pxj.or.jp/pxforum2022/

 

 

2. 医療機関でのEXの要素とは?


「医療機関でEX(Employee eXperience;従業員経験価値)を高めるための要素が新たにわかった」という論文「Understanding modern drivers of the employee experience in healthcare(ヘルスケアにおけるEXの現在の推進要因を理解する)」が公表されました。米国ワシントン州・ユタ州に拠点を置く、エクスペリエンス向上のソリューションを提供するQualtrics社による調査結果の概要を紹介します。

 

従業員エンゲージメントは、医療従事者の健康、忠誠心、パフォーマンスを示す指標として考えられてきました。しかし、COVID-19のパンデミックによって新たな課題が生まれています。

2021年には医師の25%が燃え尽き症候群の要因はCOVID-19にあると答えています。また、リモートワーク、組織的人種差別、包括性、信頼、福利厚生、精神疾患などに関する議論が深まっています。エンゲージメントだけで十分かどうか疑問視されるようになったのです。

そこで、他業界で導入されているEXモデルを用いて、「エンゲージメント」「エクスペリエンス対期待」「就業の継続」「包摂性(インクルージョン)」「well-being(幸福感)」「燃え尽き症候群」という6つのEXのアウトカムを生み出す、重要な推進要因を特定しました。約5000人の看護師と医師を対象にパネル調査を実施し、EXに特化した現在の重要な推進要因を特定し、優先順位をつけています。

相対的な重み付けを行った結果、「敬意を持って扱われること」「戦略的な合意形成」「ワークライフバランス」「成長と発達」が、EXの推進における重要なテーマであることが示唆されました。その後の分析で、医師と看護師のエクスペリエンスには大きな違いがあり、特にwell-being、燃え尽き症候群、就業の継続に関連する部分で、看護師は医師よりも著しく低いスコアであることが明らかになっています。

 

下記リンクから論文の全文を読むことができます。PXを高めるにはEX向上が欠かせません。先のトピックで紹介している11月26日開催のPX寺子屋でも、医療機関のPXとEXについて触れますので奮ってご参加ください!

Link:https://pxjournal.org/cgi/viewcontent.cgi?article=1710&context=journal

 

 

3. 今後の予定


「患者・家族メンタル支援学会 第6回学術総会」が11月12日、東海大学医学部松前記念講堂(神奈川県伊勢原市)で開催されます。PXをテーマにしたシンポジウムでは、日本PX研究会のメンバー、関係者などが登壇します。登壇者およびテーマは次の通りです。

 

1.医療の質とペイシェント・エクスペリエンス

青木拓也(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター臨床疫学研究部)

2.日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会の活動

曽我香織(日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会)

3.新型コロナ・パンデミックにおけるペイシェント・エクスペリエンス

小坂鎮太郎(練馬光が丘病院総合診療科)

4.ペイシェント・エクスペリエンスとコーチング

出江紳一(東北大学大学院医工学研究科リハビリテーション医工学分野)

 

当研究会理事で、学会長を務める東海大学医学部内科学系血液・腫瘍内科学教授の安藤潔さんによるシンポジウム「がん哲学外来とは」をはじめ、PXの学びにつながる内容となっています。

詳細は学術総会ホームページからご確認ください。

http://smspf.org/6th/index.html

 

 

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※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

編集部から


体調不良と体重増加が続き、健康によさそうなものについ手が伸びます。睡眠の質向上のため、オフィス近くの販売店で大人買いしました。(F)