日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol. 49

1.第26回勉強会を開催!
2.今後の予定
※メールマガジンは毎週木曜日の配信ですが今週は祝日につき、22日(金)となります

1.第26回勉強会を開催!


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会では26回目となる勉強会を3月16日に開催しました。参加人数は、過去最多の30人となりました。

 

曽我香織代表理事による「PX概論」。曽我代表理事が身近なサービスからエクスペリエンスの良し悪しを感じた事例を挙げたうえで、エクスペリエンスが高い病院をつくっていくための取り組みとして日本PX研究会の活動を紹介しました。

PXの定義、PXを高めることで職員満足度向上、離職率の低下、業務改善、医療ミスの減少などのほか平均在院日数の削減、医療の質向上につながるといった海外の病院での成果について説明。「患者一人ひとりに個別化した最適な医療サービスを提供するには患者視点で病院やサービスをみていくことが大切であり、そのために患者視点を教えてもらうこと、患者視点に立つことに取り組んでいる」としました。

患者視点を得るための方法の1つとして、当研究会で開発したPXサーベイの内容に触れたほか、「PXに加えてEX(Employee eXperience;職員経験価値)を高めることでアウトカムにつながるというロジックを証明していきたい」と話しました。

 

ヒューマンアカデミー株式会社の山下允睦さんからは、2月27日に開催されたイベント「Experience Day 2019」の参加報告がありました。

同イベントは、顧客と従業員の「体験」をテーマに、実践企業の事例などを紹介するものです。山下さんは「事例(ケーススタディ)から何を学ぶかの正解はなく、事例から物事の仕組みを理解し、原理原則を見通すことが大事」としたうえで、それにはエビデンスと現場スタッフの肌感覚とのバランスが求められると説明。医療界においてはEX向上がPX向上、医療の質向上につながるとし、個々のスタッフが自律的に成果を出し続けるためには、モチベーションレベルに合わせた声掛けが重要だと強調しました。

 

国立病院機構九州医療センター小児外科医長の西本祐子さんからは、日本版PXサーベイ外来編の一部見直しについて提案がありました。

同センターではパイロット的に外来サーベイを実施していますが、設問によって回答の選択肢の解釈が難しいこと、回答に分岐を設けたほうがスムーズな設問を挙げ、参加者で議論しました。外来編については今後研究会で見直しを進めて、より使用しやすいものをつくっていきます。

 

また、「日本版PXサーベイ分析における新手法の提案」として、国際医療福祉大学教授の斎藤恵一さんが発表しました。

日本版PXサーベイの結果から改善、さらにアウトカム(患者満足度)につなげるための統計方法を紹介しました。患者満足度と関係の強い質問項目をどうやって導き出すかを説明。「その項目と入院経験を10段階で聞く設問との関係の程度については効果量によって求めることができる。帰無仮説が棄却され、対立仮説によって検出力が大きい設問が、ピックアップする質問項目として検討対象になる」として、実際にサーベイを実施した病院データを例に、分析について提案しました。

参加者が多かったこともあり活発な意見交換の場となりました。自己紹介するのに十分な時間が取れないといううれしい悲鳴も⁉

 

2. 今後の予定


第27回勉強会は5月18日(土)に開催します。米オハイオ州クリーブランドでのサミットの参加報告では、海外の最新PX事情をお伝えする予定です。

 

第27回 PX研究会 勉強会

5月18日(土)13:30-15:30

場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F

「PX概論」

「PXSummit 2019参加報告」(一社)日本PX研究会 代表理事 曽我 香織

「日本版入院PXサーベイ実施報告」(調整中)

 

会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)

 

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

編集部から

先日、女子4人でスノッブなフレンチレストランに行きました。アミューズからデセールまで一皿ずつが驚きの連続でしたが、一番驚いたのが写真の料理です。何に見えますか? 瀬戸内海だそうです!!! 絶妙な間の取り方など接客が素晴らしく、まさによいエクスペリエンスとなりました。ちなみにデートにおすすめです、お店の詳細知りたい方はお知らせください。(F)