日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会メールマガジン/Vol. 50

1.真野俊樹さんが世話人に就任/医療ITリーダーの今年最大のトピックは「PX」
2.〔新連載〕「企業のCX向上事例」第1回 スターバックス
3. 今後の予定

1.真野俊樹さんが世話人に就任/医療ITリーダーの今年最大のトピックは「PX」


日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会の新たな世話人に真野俊樹さんが就任しました。

真野さんは中央大学大学院戦略経営研究科教授で、同大ビジネススクールで教鞭をとっています。医学、経営学で博士号を取得し経営学、特に医療経営を専門としています。「世界一受けたい授業」や「みのもんたの朝ズバッ」などのテレビ番組への出演や医療に関する著書も多数。世話人として今後、当研究会をサポートいただきます。

 

もう1つ、PXに関する最近のトピックをご紹介します。

米Stoltenberg Consultingが医療ITのリーダー300人に行った調査で、2019年の医療界の最優先となるトピックとして患者の経験を向上させること、PXを挙げていることが明らかになりました。次に、2018年の調査で最大のトピックだった人工知能が続いています。

また、ITリーダーのなかにはITによるPX向上の課題として、テクノロジーの重要な問題、システムの相互運用性の欠如を挙げていて、患者経験を向上させるための準備が十分にできていないことを不安要素としています。PXへの関心が高い医療IT企業、関係者から今後さまざまなアイデアなどが生み出されることで医療サービスの質向上、PX普及につながっていくことを期待します。

詳細は、下記リンクをご覧ください。

https://www.fiercehealthcare.com/tech/it-leaders-prioritizing-patient-experience-value-based-care-2019-survey-finds

 

2.〔新連載〕「企業のCX向上事例」第1回 スターバックス


今号から、CXを高めるためのさまざまな企業の取り組みを紹介する連載がスタートです。

PXは「患者経験価値」を表すのに対し、Customer Experienceの略であるCXは、日本語では「顧客価値」「顧客経験価値」などと訳されます。CXでは顧客が商品やサービスを探すところから、実際に店舗に行って商品やサービスを購入し、使用するまでの過程を評価します。近年、さまざまな企業が顧客に感動を与え、ロイヤルティを高めるためにCXを重視しています。連載では毎回、CX向上に取り組む企業にスポットを当てます。PX向上への取り組みの参考にしてもらえればと思います。

☆企業名

スターバックス ・コーポレーション

☆企業概要

「スターバックス」というコーヒーチェーン店を運営。最初の店舗は1971年に米国シアトルで開業しました。現在では米国内のみならず、世界約100カ国で展開する大型チェーン店となっています。日本では1995年に「スターバックスコーヒージャパン」を設立し、1996年に東京に第一号店をオープン後、全国展開しています。

☆ CX向上のための取り組み

スターバックスの店内に入ると、スタッフが温かく迎えてくれます。豆や淹れ方にこだわったコーヒー、季節ごとに出る期間限定のフラペチーノ、電源やWi-fiの完備、さまざまな座りごこちの椅子……と、顧客に感動してもらうための仕掛けがたくさんあります。スターバックスではこのようなスターバックスと顧客とのかかわりすべてを”スターバックスエクスペリエンス”と呼んでいます。

アメリカ本社の元CEOハワード・シュルツ氏はこの顧客とのかかわり方に重点を置いてきました。ハワード氏はスターバックスの店舗を家と仕事場の間にあり、仕事を行い、人とかかわれる場である「サードプレイス」と位置づけました。

そのコンセプトのもと、研修では飲み物をつくるスキルに加えて顧客とのかかわり方を学ぶトレーニングを実施することで、顧客とのかかわり方を大切にする風土がつくられていきました。また、ハワード氏は従業員の幸せがより高いCXを導くと考えており、従業員のことを親しみを込めて「パートナー」と呼んでいます。パートナーにはフルタイム、パートタイムなど働き方を問わずヘルスケアサポートを提供するなど、従業員の幸福も大切にしています。

このように企業のトップがCXを重視し、その考え方が各店舗の従業員まで浸透しています。

最近茅場町のスターバックスに行ったのですが、17周年ということで写真のようなキャンペーンを行っていました。これも顧客とのかかわり方を大事にするスターバックスならではですね。

☆CXを向上した結果

世界的コーヒーチェーンにまで発展し、日本でも1995年の開業以来、顧客、ファンを増やし業績を拡大。店舗数は1415店舗(2018年12月31日現在)、カフェ業界での売り上げ高では日本でもトップです。Ethisphere Instituteが発表する世界で最も倫理的な企業に贈られる「World’s most ethical companies」を12年連続で受賞しています。

 

3. 今後の予定


第27回勉強会を5月18日(土)に開催します。米オハイオ州クリーブランドでのサミットの参加報告や日本版PXサーベイ・入院編の最新の実施報告などを予定しています。

 

第27回 PX研究会 勉強会

5月18日(土)13:30-15:30

場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F

「PX概論」

「PXSummit 2019参加報告」(一社)日本PX研究会 代表理事 曽我 香織

「日本版入院PXサーベイ実施報告」(調整中)

 

会費:勉強会参加費 1000円(研究会員は無料)

 

※【お知らせ】日本PX研究会について※

年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。

 

編集部から


最近、神奈川県・三崎にマグロを食べに行ってきました。マグロで有名で港の近くにはマグロを使ったお店がたくさんあります。味音痴な僕でも違いがわかるぐらいおいしかったです。特に手前のマグロの照り焼き丼は絶品でした。(T)