1. 曽我代表理事が『医療経営白書』でPXを語る
2. 〔連載〕各国のPXサーベイ~第23回 ナイジェリア(前編)~
3. 第1回PXフォーラム紹介(スペシャル企画など)
1. 曽我代表理事が『医療経営白書』でPXを語る
このほど発刊した『医療経営白書2018年度版』(日本医療企画)に、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会の曽我香織代表理事が参加した座談会が掲載されています。
毎年発刊している同書では、その時々の医療界の重要トピックを取り上げています。
2018年度版のテーマは、「患者に選ばれるための病医院経営の抜本改革」。「患者中心主義の姿勢を、経営にいかに結び付けていけばよいのか」「その実現のためには、どのような組織や人材、システムが必要なのか」について検討し、今の段階から抜本的な経営改革に乗り出す必要性について書かれたものです。
曽我代表理事が参加した座談会は、「患者、職員に選ばれる病医院経営の本質」について語っています。医師、患者、マーケティング研究者、そして“PXの専門家”として曽我代表理事が議論に加わりました。
座談会では、「患者が医療機関を選ぶ条件とは」「マーケット・インの経営が他院との差別化につながる」「患者と医療者のコミュニケーションがPXを向上させる」「職員から選ばれる医療機関の条件とは」「患者の価値観、人生観に向き合う医療を実践するために」といったトピックスが取り上げられていました。
曽我代表理事は、患者や職員から選ばれる病院とは何か、病院の人材育成や組織改革がどうあるべきかといったことを、経験に基づいて語っています。
これからの医療機関はもっとPXを重視すべきだとしたうえで、「患者のニーズを見分けるには観察し、質問すること。患者の声に耳を傾けることが潜在ニーズの発見になる」「患者のリピート率やスタッフの離職率、業務改善の数値などを調査し、PXが病院経営に相関するという客観的なデータを示したい」などと指摘しています。
座談会の詳細については、同書をご一読ください。
2. 〔連載〕各国のPXサーベイ~第23回 ナイジェリア(前編)~
今号から2回にわたり、ナイジェリアのPXサーベイを紹介します。
西アフリカに位置するナイジェリアは、アフリカで最も人口が多い国です。2017年時点で1億9000万人を超えており、2050年には4億人を超えると推計されています。
ナイジェリアの医療施設は、軽症の治療を行う一次医療施設(プライマリー・ヘルス・センター)、総合的な医療を行う二次医療施設、専門的な医療、教育サービスを提供する三次医療施設という3つのレベルに分けられています。
今回紹介する、患者満足度に関する調査を行ったアブジャ国立病院は連邦保健省が管轄する三次医療施設。1999年に西アフリカ地域のハブ病院として開院し、2016年時点では200床で、将来的には500床まで増床する計画です。
調査の背景には、ナイジェリアの多くの病院の一般外来では診察までの待ち時間が長いことがあります。調査では、待ち時間と患者満足度との相関を調べています。同院の一般外来では患者満足度の改善が求められていますが、待ち時間に関する研究が行われていませんでした。
恒例のクイズは、調査の目的についてです。以下のうち、目的に含まれていないものを選んでください。
↓
↓
1. 患者と医療者が実際にコンタクトをとった時間
2.患者が一般外来の各サービスポイントで過ごした時間
3.患者の診察時間についての受け止め方
答えは次号でご紹介します。
3. 第1回PXフォーラム紹介(スペシャル企画など)
第1回PXフォーラム開催に向けたスペシャル企画も最後となりました。
ご賛同いただいた3社からのメッセージをご紹介します。
株式会社クロエ
当社は、被験者募集を中心に臨床研究/試験支援や患者調査、ヘルスケアマーケティング、ヘルスケアITなどのサービスを提供しています。創薬は、行政、医療、製薬企業などが中心となって行われていましたが、近年、医薬の分野においてもPatient Centricityの重要性が高まりつつあり、海外企業を中心にさまざまな取り組みが行われています。
患者さんのさまざまな課題に対し、患者さんを含めたすべてのステークホルダーが協力し、課題解決を行うことがPXを高めることにつながると考えています。
株式会社日本経営
日本経営グループは1967年の創業以来、「あらゆる専門家が集結し、お客様の経営をトータルでサポートする組織を創る」という強烈な願望のもと、医療・介護・福祉業界に特化をした事業を展開してきました。その中で「経営の質」と「医療の質」の向上、そして、その基盤をとなる「人」の育成に挑戦して参りました。今回、患者中心の医療を追求するPX研究会のご支援をさせていただくことで、さらなる医療の発展に少しでも貢献することを目指しています。
一般社団法人日本ホスピタルアライアンス
この度は第1回PXフォーラムの開催、おめでとうございます。
日本ホスピタルアライアンス(NHA)は全国の異なる経営主体の237病院(2018年10月現在)が参加し、医療材料・機器の評価から選定に至るまで病院が主体となって共同購入に取り組んでおり、今年で9年目を迎えます。
共同購入に留まらず参加病院間でさまざまな共同活動を行っており、PX研究会とは入院・外来患者アンケートをきっかけに、患者経験値を大切にした調査分析から患者満足度向上につなげていく質の高いアンケートの実現に向け、一緒に活動させていただいております。
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第1回PXフォーラムの開催が近づいてまいりました。
各講演、事例紹介の抄録につきましてはホームページ上で公開しています。
【満員御礼】増席しました!
第1回PXフォーラム ~医療の質の「未来」を創る~
11月3日(土)13:30-17:30(開場13:00-)
秋葉原UDX(JR秋葉原駅徒歩2分)
演者:
青木拓也(京都大学大学院医学研究科 医療疫学分野家庭医療専門医・指導医)
安藤 潔(一般社団法人日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会 理事/東海大学総合医学研究所所長 東海大学医学部血液・腫瘍内科教授)
井村 洋(飯塚病院 特任副院長)
曽我香織(一般社団法人日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会 代表理事/株式会社スーペリア 代表取締役)
中澤 達(北里大学大学院 医療マネジメント教授)
西本祐子(国立病院機構九州医療センター 小児外科医長/メディカルコーディネートセンター副センタ―長)
引田紅花(前橋赤十字病院 総務課広報広聴係主任)
藤井弘子(一般社団法人日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会 メディア統括マネジャー)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
会員登録につきましては、2018年11月4日から有料とさせていただきます。
編集部から
以前、日本で期間限定でオープンしたコペンハーゲンのレストラン「Noma」の肉やエビの上にアリが載せられた料理。なぜ料理にアリを添えるのか。その理由を知ると、食虫には興味ないけど食べてみたくなりました。(F) http://diamond.jp/articles/-/67402