1. Patient Experience Asia Summit がシンガポールで12月開催
2.〔連載〕各国のPXサーベイ番外編~EUにおけるPXと満足度の関係(後編)~
3. 今後の予定
1. Patient Experience Asia Summit がシンガポールで12月開催
2018年12月5~6日に「第1回Patient Experience Asia Summit」がシンガポールのGrand Copthorne Waterfront Hotelにて開催されます。
「Patient Experience Asia Summit」は、アメリカに本部を置く国際生産性本部(IQPC)が主催するイベントです。デジタル化が進むなかで、医療において患者に最高水準のエクスペリエンスを提供するための方策を見出すことを目的としています。
イベントには、アジア太平洋地域の主要な医療機関や関連企業の幹部が集まる予定。▽患者の声を聞くための効果的なプログラムの構築、▽AI活用による効果の予測に基づく治療の実現、▽デジタル時代の患者を視野に入れたオムニチャネルでの展開、▽業務の自動化とデジタル化による優れたサービスの実現、▽患者ジャーニーマップ作成――などに関して、ベストプラクティスをめぐる議論を展開することになっています。
主なテーマは以下の通りです。
・組織内で患者中心の考え方を普及させるためのロードマップ
・ケア、サービス、業務の改善を後押しする医療分野でのデジタル化
・データに重点を置いた個別化医療と予測医療
・オムニチャネルの患者対応戦略の重要性
・患者のエンゲージメント、維持、ロイヤルティの新たなルール習得に向けたプログラムとツールの刷新
・優れた医療計画と患者の声を聞くための効果的なプログラムによる人間中心の医療の実現
アジェンダをみると、データを用いた個別化医療、患者の声を反映させたアウトカムなど、今後PXを推進するうえでポイントとなりそうなキーワードが挙がっています。また、日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会が開催した「第1回PXフォーラム」でも話題に上った、「ペイシェントジャーニー」「ペイシェントエンゲージメント」「ロイヤルティ」などがテーマのキーワードに含まれています。アジアでも今後、PXが医療分野におけるトピックとなっていきそうですね。
講演者やなどの詳しい情報は、こちらのページにてご覧ください。
http://www.giievent.jp/iqpc691682/
2. 〔連載〕各国のPXサーベイ番外編~EUにおけるPXと満足度の関係(後編)~
番外編の前編では、EU加盟国21カ国で医療サービスと質、医療システムに関する満足度とPXとの関係性を調べることになった背景などを紹介しました。
クイズは、医療システムに対する満足度の決定要因として、PXが占める割合を聞くものでした。
1.10%
2.30%
3.50%
↓
↓
答えは、1. 10% でした。
調査では、PXは国の医療システムについて、国民の満足度を決定づける重要な要素だと結論づけました。ただ、その割合は10.4%に過ぎません。90%近くは、患者経験とは関係ないことによるとしています。ほかの決定要因として、患者の医療に対する期待(年齢と教育によって決まる)、健康状態、性格などが挙げられています。
調査結果からわかったそのほかのトピックとしては、▽個人所得が高いと満足度も高い、▽公的よりも民間の医療施設でケアを受けた人の満足度は低い、▽外来患者より入院患者の満足度は高い、▽予防接種率の高い国では医療システムへの満足度は低い、▽医療システムへの満足度とGDPとの間には正の相関がある――などです。
調査の詳細は、以下のリンクをご参照ください。
https://www.scielosp.org/scielo.php?pid=S0042-96862009000400012&script=sci_arttext&tlng=pt
世界のPXサーベイを紹介する連載は、今回で最後となります。
日本ではまだまだ普及していないPXですが、世界に目を向けるとアフリカ諸国を含め、多くの国や地域で推進、または研究されていることがわかりました。日本でPXを推進していくうえで、海外での取り組みは参考になることも多いと思います。今後も新たな動きなどがありましたら、メールマガジンで紹介していきます。
3. 今後の予定
今年最後の勉強会となります。2018年の振り返り、来年に向けての活動報告などを予定しています。勉強会・忘年会は研究会員以外の方も参加可能ですので、多くの方の参加をお待ちしています。
第24回 PX研究会 勉強会
12月15日(土)15:00-17:00
※開催時間が通常と異なりますのでご注意ください。また、忘年会の参加を希望される場合はその旨ご連絡ください。
場所:株式会社イトーキ SYNQA 2F
「PXフォーラム2018のアンケート結果」 九州医療センター 小児外科医長 西本 祐子
「2019年日本PX研究会の展望」 日本PX研究会 代表理事 曽我 香織
「1年の振り返り」 公立昭和病院 事務局総務課担当課長 笹野 孝
「2019年の抱負」
※内容は現時点での予定。変更する場合があります。
17:00-忘年会
会費:1000円(研究会員は無料)
※【お知らせ】日本PX研究会について※
年会費は5000円となります。また、法人会員も受け付けております。詳しくはこちらをご覧ください。
編集部から
近々九州旅行に行こうと計画しています。いろいろ調べてみるとどの県も美味しいものや観光地など魅力がたっぷりで、どこをめぐるか迷ってしまいます。できることなら丸1週間くらい滞在したいものですね。(K)